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はじめに
M-1000の終段メンテナンスです。
今回はバイアス回路の動作チェックを行いました。
バイアス用トランジスタは生きているのになぜ細かくチェックするの?と疑問を抱かれるかもしれませんが・・・
それではバイアス回路のチェックいってみよー!
動作チェック
回路図
まずは終段の回路図をお披露目します。
(パターンを追いかけて描きました。間違っていても責任はとれません。)
回路図はBSchで作成しております。水魚堂様には頭が上がりません・・・
今回はバイアス回路の動作チェックですので下記回路がチェック対象です。
チェックしたいバイアス回路。設計値も一緒に。 |
この回路の目的は
・終段PPの上アームトランジスタ(Q204)の熱暴走対策
・PP部のバイアス電圧(電流)
の2つあります。前者は次の写真のようにダイオード(D202)とQ204を熱結合することで実現します。ただ、バイアス生成用トランジスタ(Q202)とQ204を熱結合してもOKのはずです(D202は不要)。なぜD202を用いる構造になっているのかわかりません・・・D202(STV2H)の結合しやすい形状を活かしたかったから・・・?
青で囲った部分がD202とQ204の熱結合部分です |
熱暴走対策の原理説明は省きますが、トランジスタのベース-エミッタ電圧(Vbe)が負の温度特性を持っていることをうまく利用しています。(この特性は熱暴走の原因でもありますが・・・)
これ以外にも熱暴走対策は用意されていています。M-1000だと、PPを構成するトランジスタのエミッタに挿入されている抵抗(R218等)も熱暴走対策です。この抵抗はアンプの出力インピーダンス的には無い方がよいのですが、このような目的のために”あえて”挿入されています。(多分)
チェックしてみる
説明はこれくらいにして・・・
バイアス回路が目的を達成しているかをチェックする必要があります。
具体的には下記をチェックします。
・可変抵抗(VR202)を最大/最小値に設定したときのQ202のコレクタ-エミッタ間電圧(Vce)が手計算の値範囲にあるかどうか
※Vceが後段のバイアス電圧となります
※OLーOH間に1kΩの抵抗を挟み+12Vを印加します
※VceはVR202のみで決定されます
VR202=0[Ω]の時はVce≒1.99[V](最小)、VR202=1k[Ω]の時はVce≒2.77[V](最大)となるはずです。
測定の結果はいかに!!!
Rch
1.86~2.74[V]=>合格!
大丈夫だと思っていても、実際に確認すると安心して次に進めますね♪
今回は以上です。
最後までご覧いただきありがとうございました!!!!!
ご指摘や疑問点等ございましたら是非コメントをよろしくお願いいたします!
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