このアンプのまとめページはこちら
さて、Facebookでプロテクト解除の依頼を受けたアンプが届きました。
初めて目にするアンプです。
デデーン!!!!
第一印象「綺麗!!!!!!!!!!!!!」
とても大切にされていることがうかがえます。
LUXMANだけではないとは思いますが筐体がパンチングで構成されているアンプは見た目が好きです。
さてさて、プロテクターが作動するとのことでしたので電源は入るようです。
ということで電源を投入して状態を確認していきましょー!
![]() |
保管期間が長そうだったのでスライダックで徐々に電圧を印加していきます |
![]() |
100V到達直前で突入電流防止リレーが解除されパネルランプが点灯します。 |
![]() |
パネルを確認するとDCオフセットでプロテクタが作動していることがわかります |
今まで修理を行ってきたアンプはプロテクタ作動の通知表示は無いのですが、このアンプはDCオフセットがトリガとなる場合にのみ分かるようになっております。親切ですね!
なお、オーバーヒートとオーバーカレントもありますがこれらが作動した場合はパネルの通知ではわかりません。
表示を愚直に信じるとDC漏れのようですので漏れ量を計測するために測定ポイントを探します。
![]() |
まずは天板の4か所のネジを外し蓋を開けます。え?先ほど空いていた写真を見たって?それ錯覚です。 |
![]() |
ネジを外したところです。面白い構造です。上に別のアンプなどを載せられるようにしてあるのかもしれません。 |
天板を開けてみましたがDCオフセットを測定できそうなポイントが見つかりませんでしたので次に裏蓋を開けてみます。
![]() |
その時気が付いたのですがスピーカーターミナルが特大のものに交換されています!! |
![]() |
裏蓋にはサービスシールが貼られていました。少なくとも2回は修理されている様子。とっても大切にされていたことが伺えます。(私まだ3歳です) |
![]() |
裏蓋はネジを外せばよいのですが、インシュレーターも共締めされているため外す必要があります。 |
![]() |
デデーン! |
回路図を見るとプロテクターリレーあたりがDCオフセットの測定に適していそうなのでリレーを探してみると・・・
![]() |
ありました。裏面ですが |
プロテクタリレーには少なくとも下記が接続されているはずです。
・スイッチング用信号(励磁信号)
・終段出力信号
上記に加えAB接点リレーであれば空き(NC)があるはずです。
先の写真ではNCは特定できますが励磁と出力の切り分けが出来ません。何となく予想はつきますが人様のアンプですので確実に進めたいです。
(当然ですがプロテクト状態なのでSP出力を確認しても意味がありません。リレーより前を確認する必要ありです)
![]() |
ということで基板のネジを外し表を確認してみました。 |
![]() |
表で測定ポイントを特定したので基板を元に戻しテスタを接続しました。 |
さて、DC漏れの程度はいかがでしょうか!(先の写真は電源投入前の残電圧ですのでお気になさらず)
確かにDCオフセットがあるのですが右chはそれ以上に値のふらつきが確認できます。
これはこの前のアレと同じ症状では・・・
オーディオの足跡によれば
![]() |
一応DCオフセット調整してみます |
![]() |
するとプロテクトが解除され表示が消灯しました! |
プロテクトは無事解除されたのですが右chのDCオフセットがやはりバタつきます。
数mV~100mVの間でふらふら落ち着きません。これはやはり初段がアヤシイ・・・
プロテクタが解除されたのでとりあえず波形を入れてみましたが・・・
![]() |
入力(振幅小)に対して出力(振幅大)が明らかにオフセットしているのがわかります。 |
![]() |
左chはいい感じです。 |
とまぁあまり意味のない確認ですが増幅波形が確認できると少しホッとできるので・・・
この感じはM-22であった初段の差動が一番怪しいです。事前調査でも初段の修理を行っている方が多数いらっしゃいました。5M21の初段は3段の差動増幅で構成されています。
そしてこのアンプがウリとしているのは1段目のICでその名も
DML-1
”回路図には”ICと記載されているのですが実際に見てみると・・・
![]() |
IC・・・? |
![]() |
いいえ、ディスクリートです |
オーディオの足跡によれば
DML-IC(Dual Monolithical Linear-Integrated Circuit)
らしいです。
Integrated Circuit・・・?どこが・・・?
とまぁそんなことはさておき、一番怪しいのがこの1段目です。
次回、左右で入れ替えて症状の入れ替わりがあるかを確認してみます。
因みにこのDML-1はバリエーションがあるようで、先にお見せした裸バージョンとフルモールドされたバージョンがあるようです。どちらも中身はディスクリートです。
(この記事が参考になります)
せめてフルモールドであれば温度的に意味があるのかもしれませんが先の写真の裸タイプだと何も意味がありませんね・・・(´・ω・`)
これをICと呼称しウリにしていたと考えると、当時のオーディオ業界の状態が垣間見れ楽しいですね。
因みにM-1000と同じく2SK150Aが使用されています。それに加えてカレントミラー用トランジスタ2SC1845が接続されているだけですので、先日、自作アンプ用に手に入れたμPA68HAと2SC2240辺りで代替できそうです。
今回は以上です!
次回、DML-01の左右入れ替えを行い様子を見たいと思います!
0 件のコメント:
コメントを投稿