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前回DCオフセットのプロテクトを解除し、右chDCオフセットのふらつきが発生していることを突き止めました。
今回はまず初段(差動3段)の1段目をチェックすることにしました。
そもそも負帰還(NFB)アンプですので、出力の悪さは全て初段の1段目が吸収します。
全てのNFBアンプがそうではないと思いますが、基本的に多段差動構成でもNFBは1段目の差動にしかかからないことが多いです。つまり出力の悪さはプロテクタの次に1段目の不具合の可能性を疑うのが順当かと思います。上司みたいなもんです。部下(後段)の尻拭いは上司(1段目)が全て面倒を見るのですがきっとストレスが大きかったのでしょう。
(私も上司に負荷かけすぎないようにしないと・・・今日盛大にやらかしたばかりなのはヒミツ)
(ベットで見返して気が付きましたが全部1段目なっていますが左から1,2,3です。申し訳ございません。)
前回示したように5M21の1段目はLUXMANオリジナルICのDML-1ですが、実際はモジュールです。
モジュールを取り外すため基板裏面にアクセスします |
裏面です。汚れと半田のヤニが若干ありますのでIPAで洗浄しておきました |
さて、裏面へアクセスできましたのでモジュールを取り外してみました。
すると事前調査で得た情報とは異なることが発覚します。
事前調査では2SK150Aと2SC1845とのことでしたが、1845ではなく1775Aです。 |
そしてデュアルJFET(2SK150A)は実際はμPA63Hでした! |
事前情報とは異なりuPA63Hと2SC1775Aでした。uPA63HはuPA68HAで代替できそうですし、2SC1775Aは2SC2240で替できそうです。
どちらも手持ちがあるのですがuPA68HAは自作アンプ用につい先日購入したものです。
ドンピシャでここで活きてくるとは何だか運命を感じますね。
このモジュールは片chあたり3素子ですので、1素子ずつ左右入れ替えてチェックすればよかったのですが、いきなり右chのuPA63Hを68HAへ交換してしまいました。ついつい勢いで・・・w
左が63H、右が68HAです。背丈が小さくなります。ピンアサインは変わりませんのでそのまま交換できます。 |
左が68HAへ交換したモジュール(右ch)です。 |
作業の後半で気が付いたのですがモジュールを外さなくても素子の交換は出来ました・・・
モジュールを実装し直しIPAでヤニを落とします |
綺麗になりました |
そして電源を投入しDCオフセットを確認すると・・・
すこぶる安定している( ゚Д゚)
問題ないと思い交換していない左chのふらつきが大きく見えるほど安定しまくっています。
ヤッターーーーーー!!!!!!!
左のuPA63Hも交換しオフセット調整してみると・・・
しばらく運転してもこの状態ですw (単位はmVですよ) |
たまーに2[mV]程度を観測することがありますが基本0[mV]です。安定しすぎており、
テスターの接続忘れかと思ったくらいです。
左右共にDCモードでもばっちりな正弦波を確認できました! |
結局、勢いで交換したuPA63Hが原因だったようで、交換品はこれだけです |
すこぶる安定しまくっているご様子の5M21さん。
明日アイドリングを調整し、明後日に数時間視聴し問題なければ修理完了とします!
余談ですが大きなセラミックコンデンサに焦げ跡と擦った跡がありました。そしてその隣の金皮抵抗が交換されているようです。真下の基板にも焦げ跡があることから以前発火したのかもしれません。それに奥に見えるセラミックコンデンサは足が切られています。回路図ではβ回路と記載されていました。多分ですがNFBの帰還量を調整(位相保証)する箇所だと思われます。なぜカットされているかは不明ですが・・・ |
さて、今回は以上です!
楽しくてあっという間に修理完了してしましました・・・
(普段のM-22修理も回路だけだとこのくらいなんでしょう。ボロッボロの筐体の修復に一番時間を取られていますorz)
電解キャパシタも交換するべきなのでしょうが現時点安定しているのでこれ以上触らないほうがいいと思うのと、大きく音が変化する部品であるため極力そのままにしておきたいので部品交換はこの程度にしておきます。
次回はアイドリング調整と試聴結果を投稿する予定です!
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