【Pioneer】M-22 2台目 プロテクタ解除!オーバーホール完了!【12回目】

2021/06/10

A級 M-22 Pioneer アンプ

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前回、修理完了かと思いきやDC漏れによる断続的なプロテクタ作動が発生したところまでを投稿しました。
その後、修理が完了し4時間ほど連続使用しましたが問題なく安定していますので報告します!

それでは状況整理から・・・


M22の簡単なブロック図を下記に示します。
M-22のブロック図

前回DC漏れの発生確認までを行っていました。そこで状況を整理し確認すべきポイントを洗い出します。可能性としては以下を想定しました。

1.本当にDC漏れか?
  =>プロテクタ回路の故障で終段出力にDC成分が回り込んでいる可能性がある

2.終段でDC漏れが起きているのか?
  =>負帰還(NFB)がかかっていない可能性がある
  =>またはNFBでは抑えきれないほど終段でDC漏れを発生させている

3.差動動作できているか?
  =>差動の1段目か2段目のトランジスタが故障しNFBがかかっていない可能性がある

4.上記以外
  =>受動素子がイカれている可能性がある。

まず1を検証します。そのためにはプロテクタを切り離し終段のDC漏れを確認すればよいのでその方法を説明します。

プロテクタ回路

終段や初段に接続されるのは赤丸の部分ですので青丸の素子を取り除けばプロテクタを切り離せることがわかります。
実際に抵抗を抜いた状態がこちら。
先述の素子のうち抵抗を取り外し終えた状態

オーバーヒート検出のトランジスタ(Q26)も1つ抜く必要があります。
2SA726がQ26

さてこの状態でDC漏れを確認してみると・・・

片側に数[V]の漏れがあります。つまりプロテクタが原因ではなさそうです。
次に2を確認します。これは終段のコネクタを引っこ抜くだけです。それでも状況変わらずですので3か4ということになります。

3を確認してみます。2段目のトランジスタは前回入れ替えても状況変わらずだったので残すは1段目のトランジスタということになります。
初段1段目の2SA798です。超貴重&銘石です。

このトランジスタを左右で入れ替えたところ、症状が反対側に移りました。ということでこのトランジスタが原因のようです・・・・
チェッカではhFEもVbeもまともなのですが熱が入るとどうもダメになってしまう故障モードのようですね・・・
残念!
取り急ぎ別の個体から移植してみると・・・?

2時間たっても数[mV]です!直りましたね!!!

波形もばっちりです!

翌日(本日)、在宅勤務ですので4時間ほど連続運転で音楽を聴きながら勤務しておりましたが見事な音を奏でておりました!ばっちりですね!

ということでM-22の2台目のフルオーバーホールをこれにて完了にしたいと思います!
中学卒業の頃から憧れ早10数年・・・
まさかその憧れを手にし、更にはオーバーホールができるようになるとは考えてもおりませんでした。
 
そのころの私は父に「社会人になったらこんなアンプ(Pioneer A717)なんかよりもいいアンプM-22をプレゼントしてあげる!」なんて言っていた記憶がございます。(A717御免!まだ幼かったから許せ!今はお前もかなり好きなアンプだぞ!)
せっかくここまで丹精込めて修理したので父へのプレゼントにしてみようかなと考えています。

ここまで読み進めていただいた方々、本当にありがとうございました!
これからも本ブログをよろしくお願いいたします!

~完~
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モノ作りが好きです。GUIアプリの作成からアナログ回路まで手当たり次第です。 アンプの修理を紹介するためにブログを始めました。 (Twitter:@TakaElc)

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