【Pioneer】A-717 故障個所の特定【2回目】

2021/10/08

A-717 Pioneer アンプ

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どうも。高価なオーディオパーツ(家)の購入を検討中のtakaです。
リモート勤務が常となり会社に縛られることもなくなったため山荘なんかいいなぁなんて思っております。

さてさて、前回、終段のTrが破損しているところまで確認しましたので、今日は初段からドライバ段を一気にチェックします。

それではいってみよ~!
まずはいくつかジャンプします。

赤:初段+ドライバ段と終段の正電源、青は負電源、白がSEPP出力と初段の差動へのNFBです。

因みにピンアサインは以下の通りです。カッコ内は反対chです。
正電源:60,67(65,74)
負電源:62,66(63,73)
入力:71(72)
出力:61(64)
NFB:67(69)
GND:70
ジャンパー線接続後、適当な正負電源(今回は±12[V])と入力信号を与えます。

こちらのchは問題なく増幅できています!

反対側は・・・・
残念!直流が出力されています。

故障時は慎重に解析する場合は、回路図から各所の電圧を求め、それと測定値の乖離を追っていくのですが、今回は父のほとんど使用していないアンプということでそこまで精密なことはやりません。すべての能動素子を外してチェックするだけです。能動素子をチェックする理由は、受動素子より破損しやすく故障原因になりやすいためです。能動素子といってもトランジスタとツェナーくらいですので、回路を解くより全部チェックしたほうが早いというのも理由です^^;
A-717の場合はPioneer独自開発のICであるPA0016が使用されており、これが破損していた場合は完全には修理不可能です。(バイアス生成ICなのでそれっぽいものを自作することは可能)
 
さぁどこが破損しているのでしょうか!

全てのTrをチェックしました。

一つだけ破損していました!

破損していたのはこの2SA1145です

回路図ではIC102に接続されるQ126です。

深く読んでいませんがQ126はD120とD122で定電流源を構成しています。バイアス回路(IC)とドライバ/終段への電流供給を安定させ、電圧利得を稼ぐ目的と思われます。

反対chから移植し解決するか確認してみます

見事!解決しました!

ということで本日はここまでです。
今回破損が判明した2SA1145はまだ安価に手に入る素子ですので大目に注文しておきました。届くのが楽しみです。

ここまでで肝である増幅回路は修理完了できそうです。あとは電源を確認し、問題なければ組み込んでみようと思います。
電源で驚いたのですが、A-717は初段から終段まで安定化されていない電源でした!
(ブリッジダイオード+巨大電解コンで整流しただけ)
 
よくあるのは終段のみ非安定化、初段はシリーズレギュレータ方式で安定化した電源を食わせるのですがA-717は安定化されていません。驚きました。

あっという間に修理完了できそうです!
トーンコントロールやフォノアンプが壊れていないことを祈るばかり・・・

最後までご覧いただきありがとうございました!

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モノ作りが好きです。GUIアプリの作成からアナログ回路まで手当たり次第です。 アンプの修理を紹介するためにブログを始めました。 (Twitter:@TakaElc)

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